8/06/2026

フェーン現象?と、犬と、空回りの木曜日

目を覚ますと、窓を叩く雨音が私のささやかな野望を打ち砕いた。真面目に起き出して朝活をしようという決意は、予報外れの雨によってあっけなく中止となった。8月6日、木曜日は曇りのち晴れの予報だったはずだ。結局、ラジオから流れる体操の音声だけが、私の体を辛うじてこの現世に繋ぎ止めている。7時前にはすっかり雨も上がり、空は晴れ間を見せ始めたが、私の心はすでに開店休業状態である。木曜日は妻(バーさん)の買い出しの日であり、私は残された17歳のレークランドテリア、ノエさんとのお留守番という重大な任務を負っていた。  

妻が玄関を出た途端、それまで微動だにしなかったノエさんがむくりと起き上がり、家の中をウロウロと徘徊し始めた。歩き回って止まらないので水を差し出すと、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。これはもしやトイレの合図かと思い、私は急いで彼女を抱きかかえ、庭の芝生へと連れ出した。しかし、芝の上に降ろしても、彼女は石像のように動かず、一向に用を足す気配がない。「これはいったい、何の儀式なんだ?」「ただ外の空気吸いたかっただけじゃねえの? それより、沖縄方面の台風のせいで横田基地に避難してくる飛行機、うるせえな」。確かに、フェーン現象のような猛烈な暑さの中、上空の騒音だけがやけに響いていた。 

 やがて妻が買い物から帰還し、私の短い執事生活はお役御免となった。暑くて外に出る気も起きず、2階に逃げ込んでAIと遊びながら勉強らしきものをしていたのだが、ふと恐ろしい事実に気がついた。今日、サブスクの契約が更新され、私のなけなしの小遣いから600円が出費されていたのだ。私は突如として「元を取らねば」という卑小な執念に駆られ、9月4日まで見られる有料放送に齧り付き、15時過ぎまでただひたすらに時間を溶かしてしまった。霧が晴れないような虚無感の中、昼食を終えても変わらない暑さの中でテレビ鑑賞を終え、「俺は一体、何と戦っているんだ」と激しく自己ツッコミを入れる。  

それでも、今日は特別な日でもある。今日は先代のワイヤーフォックステリア、モニカさんの月命日なのだ。1999年に我が家へやって来た彼女は、飛んだり跳ねたり、水を見たら飛び込む泳ぎ好きのヤンチャでかわいい子だった。彼女が旅立ってからもう直ぐ17年になり、入れ替わりでやって来たレークランドテリアのノエさんも17歳になる。

今日の一枚の写真の中で川を泳ぐモニカさんの姿を見ていると、私の600円の執念も、理不尽な暑さも、なんだかどうでもいいことのように思えてくる。まあ、これがここでの生活だ。明日もまた、平和で馬鹿馬鹿しい一日であればそれでいい。


今日の一枚

2004年ドライブ帰りの途中の川で休憩

突然川に向かってダイブ、水の好きなワイヤーフォックステリアでした。





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