6/13/2026

二度寝の誘惑と、遅すぎる朝活

 


午前4時15分。ふと目が覚めた。

「おお、今日は寝坊したな」などと独り言をつぶやく。いつもの朝活出発は4時30分。

これでは準備が間に合わない。……というのは、立派な言い訳である。

単なる怠け癖に負け、私はそのままぬくぬくと二度寝の海へとダイブしてしまった。


再び目を開けたのは5時を回った頃。

「しまった!」と慌てて起き上がり、トイレへ駆け込む。

コップ一杯の水を飲み、大きく深呼吸を3回。心を落ち着けてから、

いざ血圧計との対決である。 結果は上151、下82、心拍数72。

昨日よりは少し下がったが、それでもまだ高い。

決して裕福ではない年金貧乏生活だが、心だけは豊かに保ちたいと思っているのに

血圧の数値までこんなに豊かにならなくてもいいだろう、と苦笑いする。


朝のルーティーンを終え、2階に上がってPCに向かう。

色々なことを考え、文章を書くことで「ボケまい」と頑張るのが私の日課だ

 結局、本日の「朝活」に出発したのは9時過ぎ。もはや朝活と呼べるのか怪しい時間だが、

気にしないことにする。今日の相棒、Canon EOS R50Vを首から提げ、

買い物がてら川沿いの道を歩き始めた。


春の華やかな花々はすっかり咲き終えてしまったが、

川沿いにたくましく咲く雑草の花には、忙しそうに飛び回るミツバチの姿があった。

そんな小さな命の営みをファインダー越しに切り取るのが、たまらなく楽しいのだ。 

1時間弱で約3キロを歩き、買い物も完了。

薄曇りの空の下は湿度が高く、ひどく蒸し暑い。

家に帰れば、妻(婆さん)と老犬のレークランドテリアが待っている

冷たいお茶でも飲んで、またSNSで皆さんの投稿を楽しむとしよう。

6/12/2026

横田基地から南へ向かう翼と、ポケットのあんぱん

 血圧計の液晶が、無機質に156と99という数字を弾き出した。

思わずため息が漏れる。このまま朝活の途中で、

心筋梗塞か何かでポックリ逝ってしまうのではないか。

そんな死への不安が頭をよぎるのも、七十代という老いぼれた年齢のせいだろう。

 だが、こんな数値を気にして布団に丸まっていては、本当に心が老け込んでしまう。

私は昨日、眼科の帰りに買ったあんぱんとチョコレートを一つポケットに忍ばせ、

重い腰を上げた。

まだ寝息を立てている妻と、老犬のえちゃんの頭を心の中で静かに撫でてから、

愛機のカメラをぶら下げて玄関を出る。

 梅雨の長雨のせいで川はすっかり濁ってしまい、

清流を愛するカワセミさんの姿は最近見かけない。

里山の小道もぬかるんでいて、先日もつるりと滑って転びそうになったばかりだ。

そんなわけで、最近の散歩コースはもっぱら横田基地の北側へと固まりつつある。

ビュンビュンと車が行き交う幹線道路を渡るのはひどく億劫だが、

これもボケずに生きるための日課である。 

 フェンス越しに駐機場を覗き込むと、


C40Aが1機、チャーター機に、KC135とRC135が羽を休めていた。

その横を通り過ぎようとした時、空気を震わせるような轟音が響き渡った。

基地から飛び立ったC17輸送機が、灰色の空を切り裂くように舞い上がっていく。 

 「気をつけてな」 南の空へと向かっていく巨大な翼を見上げながら、私は小さく呟いた。

あちこちガタがきている私の体も、こうしてまだ歩けるうちは、

あの飛行機のように前を向いて進めるかもしれない。 

 少しずつ太陽が顔を出し、じわじわと夏の暑さが首筋を撫でる。

ポケットのあんぱんを思い出しながら歩いた、

六キロ、一時間強の散歩道。今日も私は、生きている。 



6/09/2026

山鳴りの彼方へ、瑠璃色を求めて

 夜明け前の山道は、いつも少しだけ冷たくて、ほんのりと土の匂いがする。東京の喧騒から逃れて六年、この冷たさにもずいぶん慣れた。愛車のハンドルを握り、ヘッドライトが切り裂く闇の奥をじっと見つめる。時には遠くへ一人旅。今日の目的は、昔出会ったあの鮮やかな瑠璃色に、もう一度会うことだ。

高速道路を降り、車幅ぎりぎりの林道へ入ると、サスペンションが悲鳴を上げた。年金暮らしの身には少し厳しいガタガタ道だが、これもまた「探鳥」の儀式のようなものだ。目的地に着いた頃、ようやく空の白らみが木々のシルエットを浮かび上がらせ始めた。

カメラを肩に食い込ませ、息を殺して山へ入る。最近、ニュースを騒がせている熊の影が頭をよぎり、少しだけ背筋が寒くなるが、足は止まらない。老体に鞭打って斜面を登る。聞こえるのは、自分の荒い息遣いと、風が葉を揺らす音だけ。


どれくらい歩いただろう。ふと、木立の向こうで澄んだ声が響いた。チーリー、チーリー。

立ち止まり、息を潜める。視線の先、若葉の緑に縁取られた枝に、一筋の瑠璃色が止まっていた。オオルリだ。昔見た時と同じ、ハッとするほど美しい青。慌てて三脚を立て、ファインダーを覗き込む。震える指でシャッターを切った。カシャッという音が、静かな山に吸い込まれていく。


モニターに映し出されたその姿を確認し、小さく息を吐いた。これだけ撮れれば、もう十分だ。ファインダー越しに、ただ懸命に生きる小さな命と対峙する。この瞬間のために、私は重い機材を担いで山を歩いているのだ。

帰りの下り坂は、心なしか足取りが軽い。一般道へ降り、道の駅に立ち寄る。妻へのお土産に、地元の野菜と小さな饅頭を買った。レークランドテリアの愛犬は、饅頭の匂いを嗅ぎつけて尻尾を振るだろうか。

帰路の車内、スピーカーから流れる古い曲を聴きながら、今日の瑠璃色を思い出す。人生の夕暮れ時に、こうしてまた一つ、美しい記憶をカメラと心に刻むことができた。「お疲れさん、俺」。誰に言うでもなく呟いた言葉は、エンジン音に掻き消された。




"The mountain path before dawn is always a little cold, carrying a faint scent of the earth. Six years have passed since I escaped the hustle and bustle of Tokyo, and I've grown quite accustomed to this chill."
 
"Gripping the steering wheel of my beloved car, I stare intently into the depths of the darkness torn apart by the headlights. Sometimes, a solitary journey far away. Today's goal is to meet again that brilliant lapis lazuli color I encountered long ago."

"Getting off the highway and entering a narrow forest road just wide enough for the car, the suspension let out a scream. The bumpy road is a bit harsh for someone living on a pension, but this is also like a ritual for 'birdwatching'."

"By the time I reached the destination, the dawn sky finally began to highlight the silhouettes of the trees."

"With the camera strap cutting into my shoulder, I hold my breath and enter the mountain. The shadow of the bears that have been making the news lately crosses my mind, sending a slight shiver down my spine, but my feet don't stop."

"I whip my old body and climb the slope. All I can hear is my own heavy breathing and the sound of the wind rustling the leaves."
"How long have I walked? Suddenly, a clear voice echoed beyond the grove. Chee-ree, chee-ree."

"I stop and hold my breath. Ahead of my gaze, on a branch framed by the green of young leaves, perched a streak of lapis lazuli. The Blue-and-white Flycatcher. The same breathtakingly beautiful blue as when I saw it long ago."

"In a panic, I set up the tripod and look through the viewfinder. I released the shutter with trembling fingers. The clicking sound was absorbed into the quiet mountain."

"I checked the figure displayed on the monitor and let out a small breath. This is enough for me. Through the viewfinder, I face a small life living desperately."

"For this moment, I carry heavy equipment and walk in the mountains."
  
 "The steps down the mountain on the way back feel somewhat lighter. I get down to the public road and stop by a roadside station. I bought local vegetables and small steamed buns as a souvenir for my wife."
  
"I wonder if our beloved Lakeland Terrier will wag his tail catching the scent of the steamed buns."

"In the car on the way home, listening to an old popular song on the radio, I remember today's lapis lazuli."  
  
"In the twilight of my life, I was able to engrave another beautiful memory in my camera and my heart."

"'Good job, me.' The words I muttered to no one in particular were drowned out by the sound of the engine."




6/08/2026

レークランドテリアと私の、朝のルーティーン

雨の朝。こんな日は朝活のウォーキングもカメラの出番もなく、当然SNSやブログに上げる写真もない。「ネタがないぞ」とぼやきつつ、高齢者の朝はそれでも無情に早く始まる。

きっちり午前4時に目を覚まし、とりあえず書斎のPCで予定を確認する。年金貧乏の身に大したイベントなどあるはずもないのだが、画面を眺めてスケジュールを確認するフリをするだけでも「ボケ防止」の立派なルーティーンだ。

6時半になると、体にしみついたラジオ体操の時間がやってくる。会社員時代からの名残で、一時期はサボっていたものの、病気入院後の15年ほど前に一念発起して再開した。今ではこれがないと、どうにも体のポンコツ具合が悪化する気がして、1日たりとも欠かせない。

7時に朝食を済ませ、1回目の薬を渋々飲み込んでトイレへ。そしてここからが、我が家の愛犬、年老いたレークランドテリアへの手厚い奉仕の時間である。


まずはオーラルケア。老眼に鞭打って歯石を取り、右、左と順に歯を磨き上げる。続いてアイケア。先日、結膜炎なのか右目がふさがるほど腫れ上がった時は婆さんと大慌てしたが、今では毎朝の目やに取りと点眼が欠かせない日課となった。右目、そして左目。これでようやく、私とワンちゃんの朝の儀式が終わる。


ちなみに私の2回目の薬は、初回からきっちり2時間後と決められているため、9時半前後のお楽しみ(?)として待機中だ。今日は雨で私も出かける用事がないため、いつも以上に老犬の健康チェックに念を入れてしまった。我ながらすっかり犬の下僕である。

ふと二階の窓から外を眺めると、田舎町の空が少しずつ明るくなってきた。雨音が止み、雲間から光が覗きそうな気配がある。

「おっ、晴れてきたな」

日が差せば、また愛車に乗ってふらりと見知らぬ街へ出かけたくなる。私の老後の毎日は、どうやら空模様と犬の機嫌、そして薬の時間に支配されているくらいが丁度いいらしい。

6/07/2026

熊が出た、関東地方も やがて我が街にも

 

関東地方も、今日からとうとう梅雨入りだそうだ。

夕方からポツポツと降り出した雨は、夜になって遠慮のない本降りへと変わった。

屋根を叩く雨音を聞きながら、「これで明日の朝活は堂々とサボれるな」と、

ホッと胸を撫で下ろしている自分がいる。

私のポンコツな身体と同じで、雨の日は無理をしないのが長生きの秘訣というものだ。


今朝はまだ天気が持っていたので、いつもの朝活へ、横田基地方面へ朝活スタート。

ファインダー越しに覗く本日の外来機駐機場は、C17が2機にチャーター機が1機。

ずっと奥の方にKC135らしきシルエットが2つ見えたが、

私の老眼のせいか、はたまた霞のせいか確証は持てない。

まあ、正体不明の謎が残るくらいが、朝活のロマンというものだ。


帰宅してテレビをつけると、

栃木県宇都宮市の市街地にクマが出現したと大騒ぎしていた。

都会にクマとは物騒な世の中になったものだ。

クマも生きるのに必死なのだろうが、こちらも乏しい年金で細々と生き抜いている身、

お互い鉢合わせだけはご免被りたいものである。


ふと足元に目をやると、我が家の老犬、

レークランドテリアが丸くなって大人しく寝息を立てている。

実は今日、この子の前脚の動きが少し悪くなっていることに気がついた。

飼い主に似て、あちこちガタが来ているらしい。

「お前も俺も、すっかりポンコツになっちまったなぁ」と、

寝顔に向かって小声で話しかける。

それでも今夜は痛がる様子もなく、穏やかに眠ってくれているのがせめてもの救いだ。

明日の朝活は雨でお休み。

雨音をBGMに、今夜は老犬の寝息を聞きながら、少しばかりのんびり過ごそうと思う。

今日も無事に、そして平凡に一日が終わる。これが何よりの幸せなのだろう。


※校閲と画像は Google Gemini AI がお手伝い