雨の朝。こんな日は朝活のウォーキングもカメラの出番もなく、当然SNSやブログに上げる写真もない。「ネタがないぞ」とぼやきつつ、高齢者の朝はそれでも無情に早く始まる。
きっちり午前4時に目を覚まし、とりあえず書斎のPCで予定を確認する。年金貧乏の身に大したイベントなどあるはずもないのだが、画面を眺めてスケジュールを確認するフリをするだけでも「ボケ防止」の立派なルーティーンだ。
6時半になると、体にしみついたラジオ体操の時間がやってくる。会社員時代からの名残で、一時期はサボっていたものの、病気入院後の15年ほど前に一念発起して再開した。今ではこれがないと、どうにも体のポンコツ具合が悪化する気がして、1日たりとも欠かせない。
7時に朝食を済ませ、1回目の薬を渋々飲み込んでトイレへ。そしてここからが、我が家の愛犬、年老いたレークランドテリアへの手厚い奉仕の時間である。
まずはオーラルケア。老眼に鞭打って歯石を取り、右、左と順に歯を磨き上げる。続いてアイケア。先日、結膜炎なのか右目がふさがるほど腫れ上がった時は婆さんと大慌てしたが、今では毎朝の目やに取りと点眼が欠かせない日課となった。右目、そして左目。これでようやく、私とワンちゃんの朝の儀式が終わる。
ちなみに私の2回目の薬は、初回からきっちり2時間後と決められているため、9時半前後のお楽しみ(?)として待機中だ。今日は雨で私も出かける用事がないため、いつも以上に老犬の健康チェックに念を入れてしまった。我ながらすっかり犬の下僕である。
ふと二階の窓から外を眺めると、田舎町の空が少しずつ明るくなってきた。雨音が止み、雲間から光が覗きそうな気配がある。
「おっ、晴れてきたな」
日が差せば、また愛車に乗ってふらりと見知らぬ街へ出かけたくなる。私の老後の毎日は、どうやら空模様と犬の機嫌、そして薬の時間に支配されているくらいが丁度いいらしい。



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