タイトル:4.1キロの命を抱いて、霧の朝から明日の検査へ
2026年8月24日、月曜日。 朝の静けさの中、いつものように靴紐を結び、愛用のカメラを肩に掛けていつものコースへと足を踏み出した。
きっかり1時間30分の朝活ウォーキング。ファインダー越しに見る横田基地の風景には、淡い夜霧が低く漂っていた。この時間帯の霧は、日中に厳しい暑さがやってくる確かな予兆だ。季節が秋へと移ろう前に、夏が最後の熱を吐き出そうとしているかのようだ。
家に戻ると、妻は買い物へと出かけていった。ここからは、愛犬のえちゃん(レークランドテリア)と私の二人きりの留守番時間が始まる。
だが、今日の彼女はどうにも落ち着きがない。布団に入ってもなかなか寝付いてくれず、庭に出たがってはクンクンと鼻を鳴らし、部屋に戻っては抱っこをせがむ。抱き上げて背中をさすり、横になって添い寝をしてみるが、浅い息のまま寝返りを繰り返すばかりだ。
腕の中に伝わる彼女の体は、以前よりもまた少し軽くなったように感じられた。「また痩せたかな」と思いながら妻に確認してみると、体重は4.1キロとのことだった。かつての張りのある重みが、手のひらから少しずつすり抜けていくような、静かな喪失感が胸をかすめる。
ふと彼女の顔を覗き込むと、右目のイボから血が滲み、固まった血の塊が小さな瞳を半分ふさいでいた。痛々しいその姿をぬるま湯で湿らせた布でそっと拭いながら、老いていく命の切なさに言葉を失う。
午前3時半に起き出したせいか、この時間になると容赦のない強烈な眠気が頭を揺らす。ぼんやりとする頭を叱咤しながら、私は明日の病院行きの準備を始めた。明日は午前11時から病院でのMRI検査の予約が入っている。
手帳をめくると、今週も来週も病院通いの予定がびっしりと並び、その先には入院の文字まで控えている。歳を重ねるとは、これほどまでに病院や検査という「嫌なこと」との折り合いをつけ続けることなのかと、苦笑いが漏れる。
明日のMRI検査で少しでも良い結果が出てくれれば、この先の重苦しい予定も少しは軽くなるのかもしれないが、今はただ待つしかない。
4.1キロの小さな命をもう一度膝に乗せると、ようやく安心したのか小さな寝息が聞こえてきた。明日のことは明日考えればいい。
ファインダーを覗き、愛犬を抱き、今日という一日を丁寧にやり過ごす。それこそが、今の私にできる精一杯の日常なのだから。
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