「しまった」と目を覚ますと、時計の針は4時35分を指していた。予定より5分遅れの起床。年をとると目覚めだけはやたらと早くなるものだが、たまにはこんな日もある。
出発前の恒例儀式、血圧測定の時間だ。腕帯を巻き、結果を見る。「上が145、下が77、心拍数66」。上が少し高い。原因は火を見るより明らかである。昨夜、婆さんの目を盗んでパリパリとかじってしまった、あの美味しい煎餅だ。「こんなにも塩分が血圧にダイレクトに影響するのか」と、誤魔化しのきかない自分の体の正直さに呆れつつ、そっとため息をついた。
気を取り直して、いざ出発。今日もお供のカメラは持たず、身軽な格好だ。ポケットにはスティックパン1個、アメ1個、そしてチョコ1個。まるで遠足に向かう小学生のようなおやつのラインナップに、我ながらクスッと笑ってしまう。今日は気分を変えて、いつものコースを時計の逆回りで歩いてみることにした。
The Price of Salty Crackers and a Lone Duck's Mo
少し歩くと、空き地で若者たちが数人たむろしているのが横目に入った。夏が近づくと増える光景だ。「おいおい、学校には行っているのかい?」と心の中で老婆心を覗かせるが、その前に彼らの親はどうしているのだろうと、少しばかり複雑な気持ちになる。
車の多い通りをやり過ごし、水源の方向へと足を向ける。すると、川沿いの道路脇で、金網に首を突っ込んでバタバタともがいている一羽のカルガモを見つけた。必死に逃げようとしているらしい。川の方へ目をやると、別のカルガモが二羽、涼しげに浮かんでいる。やがて首を突っ込んでいたカルガモがなんとか抜け出し、仲間に入ろうと勇んで川へ飛び立った。ところが、川に入った途端、その二羽から激しく追い回され、あわれにも弾き出されてしまったのだ。「お前さんも、いじめられっ子なのかい?」と、羽をすぼめたカルガモの背中に、思わず同情の声をかけてしまった。
川を下り、今度は横田基地の方向へ歩を進める。基地横の道から駐機場を覗き込むと、巨大なC5とC17がそれぞれ一機ずつ、朝の静寂の中で鈍い光を放ちながら鎮座していた。
歩き始めて4キロ。最近はどうにも疲れやすくなった。以前ならなんともなかった距離だが、今日はここらで一休みだ。普段は「1キロ12分」というペースを守っているが、今は無理をせず、スピードを落として距離も短めに切り上げることにしている。老いには逆らわず、上手に付き合っていくしかない。今日はこの辺で帰路につくことにした。約1時間ほどの、少し短い朝活であった。
家に帰り、温かいお茶をすすりながらパソコンに向かってブログを書き始めると、窓の外から「ホーホケキョ」と澄んだウグイスの囀りが聞こえてきた。久々に聞くその声は、疲れた体に心地よく染み渡る。ふと足元を見れば、愛犬のノエが安心しきったように静かな寝息を立てていた。婆さんの起きてくる気配を感じながら、不器用ながらも平穏な「今日」という一日が、また静かに幕を開けた。

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