6/15/2026

あの日の約束と、ふたたびの地へ

 


プロローグ:あの日の約束と、ふたたびの地へ

私にとって、パリの街を踏むのはこれが二度目になる。

初めてこの地を訪れたのは、北欧フィンランドでの仕事を終えた帰路のことだった。愛する花奈(かな)の誕生日プレゼントを手に入れるため、仕事の合間を縫うようにして立ち寄ったパリ。あの慌ただしくも、どこか誇らしげで胸が高鳴っていた時間が、昨日のことのように思い出される。

そして今回、私たちは再びこの芸術の都へと向かうことになった。 やはり今回も、年末の多忙を極める仕事の残務整理と格闘しながら、深夜便を利用して強行日程を組んだ、息つく暇もない旅である。

旅立ちの朝、まずは大切な家族である二頭の愛犬たちをバギーに乗せ、いつもの動物病院へと向かった。これから4泊4日、彼らにとってはお留守番という名の小さなお泊り修行が始まる。少し寂しそうな表情を後ろ髪に引き引かれながらも、私たちは我が家を後にした。

自由が丘から品川へ。そこからは「成田エクスプレス」の揺れに身を任せ、空港へとひた走る。

聖夜の予感と、深夜のテイクオフ

成田空港に到着したのは、すっかり日が落ちて静寂が広がり始めた頃だった。 機内に持ち込むための簡単な軽食を済ませ、私たちはしんと静まり返った空港ロビーを歩く。

その歩みの先で、鮮やかにきらめくクリスマスツリーのイルミネーションが、私たちの視界をパッと彩った。 「そうか、もうすぐクリスマスなのだ」

日常の忙しさに追われ、カレンダーの数字を追うだけの毎日から、一瞬にして特別な季節のただ中へと引き戻される。深夜11時前、冷たい夜空へと向かって飛び立つ飛行機は、私たちを乗せて静かに滑走路を滑り出し、闇の中へと消えていった。目指すは、早朝のパリである。

凍てつく早朝のパリと、人の温もり

長いフライトを終え、まだ薄暗く凍てつくような早朝のシャルル・ド・ゴール空港へ降り立つ。

市内への移動のために事前に手配していたのは、乗り合いの相乗りタクシーだった。見知らぬ土地での移動に少しの緊張を抱えながら車に乗り込むと、そこには偶然にも、フランス語を自在に操る一人の日本人女性が同乗していた。

言葉の壁に少し戸惑いかけたその時、彼女がとても自然に通訳を買って出てくれたのだ。 「本当に助かりました、ありがとうございます」

異国の地で出会った同胞の優しさに、どれほど救われたことだろう。おかげで何一つトラブルもなく、言葉の難を逃れて、スムーズに目的地までたどり着くことができた。旅先でのこういう偶然の出会いと温もりこそが、旅をより豊かなものにしてくれる。

車がホテルの前に止まったのは、まだ夜が明けるには遠い午前4時過ぎ。 今夜の宿は、パリ1区のチュイルリー庭園のほど近くに佇む「ウェスティン・パリ-ヴァンドーム」だ。

普段からこのホテルチェーンをよく利用していることもあり、多少の融通が利くという安心感からここを予約していた。 「荷物だけでも先に預かってもらおう」 そう思ってフロントへ向かうと、スタッフがにこやかに私たちを迎えてくれた。

そして、信じられないほど嬉しい言葉をかけてくれたのだ。 「幸いにも、お客様にご予約いただいたお部屋が、ただいま空いております。サービスで今すぐお使いいただけますので、どうぞお部屋でお体をお休めください」

長旅の疲れと冬の寒さで凝り固まった身体に、その温かい計らいが深く染み渡る。私たちは言葉に甘えてすぐに部屋に入り、静かに夜明けを待ちながら、贅沢な一時休息をとった。

黎明の散策:光を待つ歴史の街角

しばらく身体を休めた後、私たちはまだ夜が明けきらない、濃いブルーに包まれたパリの街へと歩き出した。 凛とした冬の空気が、眠気のある頬を心地よく刺激する。

ホテルを出て、まずはコンコルド広場へ。そこから静まり返ったチュイルリー庭園の木々の間を抜け、私たちはルーブル美術館の前へと向かった。

昼間の喧騒が嘘のように、人影のない静寂に満ちたルーブル。ガラスのピラミッドが淡い街灯の光を浴びて、神秘的に輝いている。私たちはこの美しい瞬間を永遠に留めておくように、時折カメラのシャッターを切り、写真撮影を挟みながらゆっくりと歩いた。

帰路は、かつて王族や貴族たちが行き交ったサン・トノレ通りを進む。ショーウィンドウがクリスマスの装飾で美しく彩られた通りを眺めていると、やがて視界が開け、ヴァンドーム広場へと導かれる。

そこには、ナポレオンがアウステルリッツ(オーステルリッツ)の戦いの勝利を記念して建てさせた、荘厳な記念柱(オベリスク)が静かにそびえ立っていた。常夜灯の明かりに照らされたそのシルエットを仰ぎ見ながら、私たちはパリの深い歴史の息吹を感じる。

この記念柱を目印にするようにして、私たちは心地よい疲労感とともに、温かい光が待つウェスティンホテルへと戻っていった。 パリの空がゆっくりと白み始める。私たちの「二度目のパリ」は、こうして静かに、しかし最高にロマンチックに幕を開けた。

続く

雨の朝の血圧と、テレビへの愚痴と


いつもの癖で今朝もきっちり4時に起床したが、あいにく外は無情な雨模様だ

どうにも雨の日は体調が悪く、朝一番の血圧測定が心配になる

恐る恐る腕帯を巻いて測ってみると、今朝の血圧は上が143、下が93で心拍数は72だった

私の年齢での基準がいまいちわからないが、なんだか相当悪い数値なのかなと、

朝から一人で勝手に気が滅入ってしまう


鬱憤を晴らすように早朝からテレビをつけると、

BSでMLB、地上波ではサッカーワールドカップを中継している

サッカーは日本戦が始まり、今朝はオランダ代表との初戦開催だそうだ

スポーツを観るのは嫌いではないが、そこでふと思うのだが、

NHKの視聴率は一体どうなっているのだろうか

大谷ばかり放映して視聴率稼いでいるのかと、つい意地悪な勘ぐりをしたくもなる

無駄と偏見放送ばかりで本当にお金払うのがばかばかしいと、

足元で寝ている老犬のレークランドテリアに愚痴をこぼしてみたところで、

彼には知ったこっちゃないらしい


雨のせいで生きがいの朝活カメラもできずやる事無いが、

結局自分の部屋でPC遊びとなってしまった

そういえば今日は年金支給日だが、確認してみると少しだけ金額アップしてる

しかし、容赦ないこの物価上昇には到底追い付いていないのが

「年金貧乏生活」の悲しい現実である


モニターを見つめていても気が滅入るので、

梅雨が明け夏が来たらどこか遠くへ行ってみたいと妄想の旅に出る

とはいえ、愛車での長距離旅も段々出来なくなってしまう年齢になってきたことは

自覚している

見知らぬ街の景色をファインダーに収めたい気持ちは山々だが、

まずは手始めに、せめてご無沙汰の墓参りかなと思っている

ご先祖様に「まだそっちには行かないよ」と、ボケ防止の決意表明でもしてこよう。

6/14/2026

ギーコギーコとあずきアイス、そして空っぽの駐機場

昨日の寝坊を深く反省した私は、今朝、なんと午前3時半にパッチリと目が覚めてしまった。ここで二度寝の誘惑に負ければ昨日の二の舞だと、老体に鞭打ってベッドから這い出す。まずは日課の深呼吸、そして血圧測定だ。上が143、下が88、心拍数は69。少しばかり数値が下がっていて、ホッと胸をなでおろす。

午前4時半、カメラを片手にいつもの朝活へ出撃。目指すは基地の北側、18側エンドだ。東の空には、雲の隙間から大きな真っ赤な太陽が顔を覗かせている。空気にまとわりつくようなこの蒸し暑さ、こりゃまた夕立が来るかもしれないなと、誰も聞いていない独り言をつぶやきながら歩を進める。

到着してファインダー越しに駐機場を覗いてみたが、機影が全くない。遠くに空中給油機らしき姿が霞んで見える程度だ。イランとの話し合がうまくいって、基地にいた輸送機たちも母国へ帰ったのだろうかと、一人勝手に国際情勢に思いを馳せて納得する。

ふと横を見ると、駐機場そばの格納庫がほぼ完成していた。夏場に移転してくると町内のお知らせにあったが、あれは無人機用のものなのだろう。

蒸し暑い中をトコトコと帰宅し、二階の部屋でパソコンに向かってブログを書き始めた矢先のこと。窓の外から「ギーコ、ギーコ」と妙に怪しげでうるさい音が響いてきた。カーテンを開けて見下ろすと、うちのばあさんが手押しの芝刈り機と格闘しているではないか。そのあまりにおぼつかない手つきを見ていられず、私は眠い目をこすりながら一階へ降り、物置から電動芝刈り機を引っ張り出した。

結局、1時間かけて伸びきった芝を綺麗に刈り上げる羽目になった。汗だくになって作業を終え、ご褒美に冷たいあずきアイスを頬張る。美味い。そして再び二階の部屋へ。空は雲が多く、薄日が差す程度。月末からは憂鬱な歯科医院通いが控えているというのに、また梅雨の雨が降るのだろうか。まったく、早く梅雨明けしてほしいものである。




Deeply regretting yesterday's oversleeping, I found myself wide awake at exactly 3:30 a.m. this morning. Knowing that giving in to the temptation of going back to sleep would just be a repeat of yesterday's mistake, I pushed my aging body and dragged myself out of bed. First up was my daily routine: deep breathing, followed by a blood pressure check. Systolic 143, diastolic 88, and a heart rate of 69. The numbers had dropped slightly, and I breathed a sigh of relief.

At 4:30 a.m., camera in hand, I headed out for my usual morning photo walk. My destination was the north side of the base, the Runway 18 end. In the eastern sky, a large, deep-red sun was peeking through the gaps in the clouds. Feeling the heavy, clinging humidity in the air, I muttered a soliloquy that no one was listening to: "Looks like we might get an evening shower again."

Upon arriving, I looked through my viewfinder at the parking apron, but there was absolutely no sign of any aircraft. All I could see was what looked like an aerial refueling tanker hazy in the distance. I convinced myself with my own amateur geopolitical analysis, wondering if the talks with Iran had gone well and the transport planes stationed here had already returned to their home countries.

Glancing to the side, I noticed that the hangar near the apron was almost complete. The neighborhood association bulletin mentioned a relocation happening during the summer, so I assume that facility will be for drones.

After trudging back home in the sweltering heat, I sat down at my computer in my second-floor room and started writing my blog. Just then, a strange, loud, and squeaky "screech, screech" sound echoed from outside my window. I opened the curtains and looked down, only to find my wife struggling with a manual push lawnmower. I couldn't bear to watch her unsteady handling, so, rubbing my sleepy eyes, I went down to the first floor and pulled the electric lawnmower out of the shed.

In the end, I was stuck spending an hour neatly mowing the overgrown lawn. Covered in sweat, I finished the job and treated myself to a cold azuki bean ice pop as a reward. Delicious. Then, it was back to my room on the second floor. The sky was mostly cloudy with only faint rays of sunlight breaking through. I have a depressing series of dentist appointments coming up starting at the end of the month, and I wonder if the rainy season downpours will hit again then. Seriously, I just want this rainy season to be over already.



6/13/2026

二度寝の誘惑と、遅すぎる朝活

 


午前4時15分。ふと目が覚めた。

「おお、今日は寝坊したな」などと独り言をつぶやく。いつもの朝活出発は4時30分。

これでは準備が間に合わない。……というのは、立派な言い訳である。

単なる怠け癖に負け、私はそのままぬくぬくと二度寝の海へとダイブしてしまった。


再び目を開けたのは5時を回った頃。

「しまった!」と慌てて起き上がり、トイレへ駆け込む。

コップ一杯の水を飲み、大きく深呼吸を3回。心を落ち着けてから、

いざ血圧計との対決である。 結果は上151、下82、心拍数72。

昨日よりは少し下がったが、それでもまだ高い。

決して裕福ではない年金貧乏生活だが、心だけは豊かに保ちたいと思っているのに

血圧の数値までこんなに豊かにならなくてもいいだろう、と苦笑いする。


朝のルーティーンを終え、2階に上がってPCに向かう。

色々なことを考え、文章を書くことで「ボケまい」と頑張るのが私の日課だ

 結局、本日の「朝活」に出発したのは9時過ぎ。もはや朝活と呼べるのか怪しい時間だが、

気にしないことにする。今日の相棒、Canon EOS R50Vを首から提げ、

買い物がてら川沿いの道を歩き始めた。


春の華やかな花々はすっかり咲き終えてしまったが、

川沿いにたくましく咲く雑草の花には、忙しそうに飛び回るミツバチの姿があった。

そんな小さな命の営みをファインダー越しに切り取るのが、たまらなく楽しいのだ。 

1時間弱で約3キロを歩き、買い物も完了。

薄曇りの空の下は湿度が高く、ひどく蒸し暑い。

家に帰れば、妻(婆さん)と老犬のレークランドテリアが待っている

冷たいお茶でも飲んで、またSNSで皆さんの投稿を楽しむとしよう。

6/12/2026

横田基地から南へ向かう翼と、ポケットのあんぱん

 血圧計の液晶が、無機質に156と99という数字を弾き出した。

思わずため息が漏れる。このまま朝活の途中で、

心筋梗塞か何かでポックリ逝ってしまうのではないか。

そんな死への不安が頭をよぎるのも、七十代という老いぼれた年齢のせいだろう。

 だが、こんな数値を気にして布団に丸まっていては、本当に心が老け込んでしまう。

私は昨日、眼科の帰りに買ったあんぱんとチョコレートを一つポケットに忍ばせ、

重い腰を上げた。

まだ寝息を立てている妻と、老犬のえちゃんの頭を心の中で静かに撫でてから、

愛機のカメラをぶら下げて玄関を出る。

 梅雨の長雨のせいで川はすっかり濁ってしまい、

清流を愛するカワセミさんの姿は最近見かけない。

里山の小道もぬかるんでいて、先日もつるりと滑って転びそうになったばかりだ。

そんなわけで、最近の散歩コースはもっぱら横田基地の北側へと固まりつつある。

ビュンビュンと車が行き交う幹線道路を渡るのはひどく億劫だが、

これもボケずに生きるための日課である。 

 フェンス越しに駐機場を覗き込むと、


C40Aが1機、チャーター機に、KC135とRC135が羽を休めていた。

その横を通り過ぎようとした時、空気を震わせるような轟音が響き渡った。

基地から飛び立ったC17輸送機が、灰色の空を切り裂くように舞い上がっていく。 

 「気をつけてな」 南の空へと向かっていく巨大な翼を見上げながら、私は小さく呟いた。

あちこちガタがきている私の体も、こうしてまだ歩けるうちは、

あの飛行機のように前を向いて進めるかもしれない。 

 少しずつ太陽が顔を出し、じわじわと夏の暑さが首筋を撫でる。

ポケットのあんぱんを思い出しながら歩いた、

六キロ、一時間強の散歩道。今日も私は、生きている。